鼻咽喉ファイバースコープについて

診断用機器

耳鼻咽喉科で鼻や咽喉などの検査に使用されているファイバースコープは、「鼻咽喉ファイバースコープ」と「喉頭ファイバースコープ」の2種類があります。この記事では、鼻咽喉ファイバースコープについて説明していきます。

鼻咽喉ファイバースコープの仕組みについて

「鼻咽喉ファイバースコープ」とは、直径約3mm~4mmのファイバースコープを鼻腔から挿入して、複雑な形状の喉や鼻腔の奥まで観察することが出来る医療機器です。とても細い器具なので、痛みや違和感の無い様に開発されています。

ファイバースコープで撮影された画像を実際に患者に見せながら、肉眼では確認出来ない粘膜の異変を説明することが出来ます。

鼻咽喉ファイバースコープで確認出来ることについて

鼻咽喉ファイバースコープでは次の様な診断が出来ます。鼻腔の中の出血部位の確認、副鼻腔炎や蓄膿症による鼻茸・粘膜の腫瘍の確認などです。
それから副鼻腔炎が重症化して、副鼻腔から鼻腔に繋がっている通路が鼻汁で詰まっていて、鼻茸が出来ている患者の手術を行う場合にも、鼻咽喉ファイバースコープが用いられます。この手術の際には、局所麻酔を行います。

鼻咽喉ファイバースコープで分かる疾患とは

鼻咽喉ファイバースコープでは、鼻の状態以外にも、喉の疾患も観察・診断することが出来ます。主な疾患は、声帯ポリープ・声帯結節・喉頭蓋のう胞・喉頭癌・喉頭の麻痺・下咽頭癌などがあります。

前述した様に、細い形状の機器なので、様々な部位から疾患を発見することが可能となっています。

鼻のつくりについて

ここで、鼻のつくりについて確認しておきます。私たちの鼻は、鼻中隔で左右に仕切られている鼻腔(外側の壁から下甲介・中甲介・上甲介という粘膜に被われた襞があって、その隙間から空気を吸い込んでいます)と、鼻の周囲にある副鼻腔(上顎洞・篩骨洞・前頭洞・蝶形骨洞に分かれています)から成り立っています。

副鼻腔は、脳・眼と隣接していて、さらに鼻腔と繋がっています。

鼻の機能について

鼻は吸い込んだ空気を温め、鼻腔と副鼻腔の内面にある小さなせん毛が生えている湿った粘膜で、分泌物や吸い込んだホコリなどを排泄するという役割もあります。そして、嗅覚を感じ取るのも鼻の機能です。

ファイバースコープの衛生管理について

ファイバースコープは、検査中に直接患者の粘膜に触れるので、衛生管理に気を付ける必要があります。自動洗浄の前に予備洗浄を行いましょう。まず、付着している血液などを生理食塩水または消毒液を浸したガーゼで拭き取った後、流水で汚れを除去して下さい。その後消毒して、再び洗浄機で流水を行います。

まとめ

それぞれの部位に合わせて動かすことが出来る、細い形状の鼻咽喉ファイバースコープは、検査はもちろん簡単な手術にも用いられています。使用後にはきちんと洗浄して、衛生管理には十分に気を付けて下さい。

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