CT装置の原理について簡単に紹介!

診断用機器

【はじめに】
X線やCT装置と聞くとどんなイメージを描きますか?

CT装置は、1970年代にイギリスの技術者ハウンスフィールド氏の開発によって医療向けに広まっていったとされています。

産業用としても用いられることの多いCT装置ですが、その構造や原理を知ることで医療の現場でより扱いやすくなると思います。

そんな気になるCT装置の原理について今回お伝えしたいと思います。

【CT装置の原理とは?】

CTとは、Computed Tomographyの略でコンピュータ断層影像法とも呼ばれています。

CT撮影を行うときにはまず、X線を対象物に照射します。
この時、物体の密度や材質などによって透過するX線の吸収のされ方が違ってきます。
X線が吸収されやすいところではより白っぽくなり(場合によっては黒っぽくなることもある)、像の陰影によって物体の形や密度が把握できます。

現在医療用として使用されているCT装置の多くはX線や光の減衰量を計算し、360度分の3Dデータを割り出すことで体の断面図や内部の様子を見ることができます。

また、CT装置の原理と関係が深い「X線の吸収」については「光電効果」と「コンプトン散乱」が影響しています。

・光電効果
X線のエネルギーが低い場合に発生する現象でX線が軌道電子にぶつかり、エネルギーを電子に伝えて軌道外に放出することで起こります。この時X線は消滅します。

・コンプトン散乱
X線エネルギーが高い場合に発生する現象で、X線が電子にぶつかりエネルギーの一部を電子に伝えることで発生します。この時、X線は散乱します。

【もっと詳しく!】

CT装置の画像再構成の原理について知るには「ラドン変換」について知っておく必要があります。

ラドン変換とは、ある関数をある方向から見たときにその投影を計算する方法のことです。
ここでいう関数とは、「X線を照射された物体を座標上の点で示したもののこと」で、つまり物体の像を数値化し、画像として得ることができるように計算したものということができます。

※この記事では詳しい説明は割愛しますが、CT装置の原理について知りたい方は「フーリエ変換」についても調べてみると良いでしょう。

【まとめ】

今回紹介したCT装置の原理は、難しい計算式などを省き、要点だけを簡単にまとめたものです。より具体的な原理について知りたい方は、積分や三角関数について学ぶ必要が出てきます。CT装置について深く勉強したいという方は時間があるときに数学から学びなおしてみるのも良いかもしれません。ありがとうございました。

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