人工呼吸器における低圧アラームの設定

生体現象測定記録・監視用機器

人工呼吸器は呼吸不全の患者さんにとって欠かせない医療器具で、肺へ空気を送り込む(吐き出す)ための補助的役割を果たしています。正しく使えば問題はありませんが、もしものトラブルが起きた場合、どうなのでしょうか?
今回は、人工呼吸器と低圧アラームについてお話します。

アラーム

医療機器全般に言えることですが、もしもの時に必ずなるのがアラームで、患者さんの容態に何かがあったとき、看護師さんなど医療に従事している方にとっては一つの信号という位置づけとなっています。

アラームの音量が適量であれば、最悪の事態を回避することができるのですが、その音量が小さいまま放置すると病状が悪化するだけでなく最悪は死につながるという極めて危険な状態になりかねません。それを避けるためにも、常日頃アラームの音量もチェックして、もしもの事態を回避できるように使う前に点検をしておくとよいでしょう。

気を付けるべきこと

人工呼吸器などを扱う際に気を付けるべきことは、以下の通りです。

①意味を理解する→患者さんに使う場合、看護師たちはその意味をあらかじめ理解しておくとともに、アラームの音量の設定は適切に行いましょう。

②音を消さない→アラーム音は緊急事態に対するSOS信号のようなものです。うるさいからといって、消音にしないよう気を付けましょう。特に深夜帯であっても音は消さないように注意しましょう。

③消していいのは?→患者さんの処置をしているとき、音が気になると判断した場合のみ休止機構を使いましょう。処置が完了したらアラームが正常になっているか確認しましょう。

④アラームが鳴ったら→それこそ緊急事態なので速やかに対応しましょう。ほかのことで忙しいという理由で、聞き逃しは厳禁です。

低圧アラームって何ですか?

さて、アラームのことについて書きましたが、その中でも低圧アラームのことについては触れていないので、ここでは低圧アラームについて紹介しましょう。もしも、低圧アラームが鳴ってしまった場合、どうやって対処するのでしょうか。

〇低圧アラームとは?
低圧アラーム(気道内圧下限(低下)アラーム)=気道内圧が設定した値に達していない場合に鳴るアラームのことをいいます。

対処法

もし、低圧アラームが鳴ったとしましょう。患者さんの容態が変化する恐れがあるため、迅速に対応しましょう。原因ではないかと推測されるのは以下の通りです。

①回路が破損していないか?→本体と加湿加温機、それと患者さんとの間を結ぶチューブ回路に亀裂などがないか確認しましょう。

②回路がきちんと接続していないか?→チューブと本体がきちんと接続しているかを、使用前にしっかり確認しましょう。

③カフ圧不足(気管切開チューブなど)→空気の流れをよくするために大事な箇所です。この圧力が不足するとアラームが鳴りますので、気を付けましょう。

④それ以外の確認項目→患者さんと本体の仲介役となるウォータートラップは、どうしても見落としてしまう箇所ですのでここも確認しましょう。

設定

低圧アラームが鳴ったという問題が解決したので、再びこのようなことがないためにも確認をしてからアラーム設定をしましょう。設定値は初期設定地ではなく患者さん一人一人に合わせた数値にし、その後は作動確認をしてから正式に使いましょう。

また、回路が外れた場合を想定してアラームの設定が適正に行われているかを確認しましょう。なお、低圧アラームに関してはピーク圧に対して-10~-20%前後とされています。
これらの設定などが済んだら、患者さんに人工呼吸器を使いましょう。

まとめ

以上、人工呼吸器と低圧アラームに関してまとめましたが、低圧アラームの原因で患者さんの健康状態などに影響を及ぼすため、常に確認しておくことが重要です。

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