【ホルター心電図】長時間きれいな波形を記録するポイントとは?

生体現象測定記録・監視用機器

ホルター心電図は、24時間かけて日常生活下における心電図を測定する装置です。
通常の安静時心電図では検出することができない一過性の不整脈や狭心症発作などの心筋虚血の有無といった心電図の変化を見つけることができます。


これらを測定・解析するには波形が明瞭で、STの変化が確認しやすいように記録されている必要があります。
長い時間において測定するホルター心電図検査では電極の装着方法や生活スタイルなどによって心電図の波形に雑音が混入して正しく測定できない場合があります。
ホルター心電図できれいな波形を得て適切な測定・解析ができるポイントを解説していきます。

①電極の装着
まず電極を装着する前段階として、皮膚の前処理をします。
電極を装着する箇所をアルコール綿で拭き、皮脂や汚れを落とします。次に皮膚の接触抵抗を下げるための皮膚前処理剤(スキンピュア等)で皮膚を擦り、温タオルで薬剤を拭き取ります。(角質の除去)
この皮膚の前処理をしておくかどうかで雑音の有無が変わるため重要なポイントといえます。
次に電極を装着します。
電極のシールに緩みが出ないように、患者様にはできる限り背筋を伸ばしてもらいます。電極を貼り付けたらコードに少しのゆるみを持たせて、サージカルテープで身体にコードを固定します。
コードが引っ張られた状態で固定すると機器が引っ張られた際にすぐに電極が外れてしまうので注意しておきましょう。
コードが長すぎる場合には、余ったコードを適切に束ねておくことも忘れないようしましょう。
記録を開始する前に、波形の振幅や雑音混入の有無を確認しておきます。

②患者様への説明
ショルダーバッグの使用は身体の前面にバンドが当たるため避けるようにしましょう。
電気カーペット・電気毛布の使用は射雑音と呼ばれるパルス性の雑音が入り、正しく検査できない場合があるため、使用は避けるように説明をしましょう。
従来の機種では携帯電話の使用ができないタイプがあるため仕様書で確認をしておきましょう。
シャワー浴・入浴に関しても最近の機種は可能であるため説明をしておきます。

○測定データの解析
ホルター心電図の解析には専用の機器と解析ソフトの導入が必要になります。
これらはフクダ電子、メディエイトスクエア、日本光電、日本ライフラインなどのメーカーが提供をしています。
また、スズケンでは専任臨床検査技師と心電図の専門医がデータの解析・所見をつけて主治医へ返送するホルター心電図解析支援サービスを行っています。
解析機器を導入する必要がないというメリットがあります。

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