麻酔器のモニターの見方・観察のポイントについて

診断用機器

はじめに

麻酔器を安全に使用するには、換気量モニターや心電図モニターなどを正しくチェックできることが大切になってきます。
また、日本麻酔科学会が採用している「モニター指針」というものがあり、そこではモニターについてのチェック項目などが定められています。

今回、麻酔器で利用されるモニターの見方・観察ポイントについてお伝えしたいと思います。

麻酔器と併用されることの多いモニター・メーターの種類

麻酔器と併用されるモニターにはいくつか種類があります。
以下、3つのモニターについて説明していきたいと思います。

呼気麻酔ガスモニター

このモニターの目的は麻酔薬などの濃度を呼気、吸気中それぞれで観察できるようにすることです。また呼気麻酔ガスモニターと名前がついていますが、呼気中の炭酸ガス分圧も一緒にモニタリングすることができます。呼気中の麻酔ガス濃度を測定することで「麻酔がどれくらいの深さで作用しているのか」「肺や脳に麻酔ガスが届き、麻酔の効果が発揮されているか」などの判断が可能となります。

気道内圧モニター

麻酔器と併用されることの多いモニターとしては他に気道内圧モニターがあります。
そもそも気道内圧とは、気道内の圧力の変化をとらえたもののことで、麻酔器と併用される人工呼吸器を管理するうえで把握しなければいけない項目の一つです。
基本的なチェック項目としては「吸気時間」「呼気時間」「休止時間」があります。
また、気道内圧の設定基準は患者さんによって異なるためケースに応じて柔軟に設定する必要があります。

カプノメーター

呼気・吸気中の二酸化炭素濃度を測定するときに用いるメーターです。
基本的には「カプノグラム」と呼ばれる、時間ごとの二酸化炭素濃度の推移を表したグラフによって測定します。

また、このメーターには2種類あり「メインストリーム型」と「サイドストリーム型」に分けられます。
「メインストリーム型」の場合、濃度がリアルタイムで表示され、小児・大人問わず利用できますが、気管チューブの固定の仕方には注意しなければなりません。
それから「サイドストリーム型」の場合は、呼吸器回路と接続して二酸化炭素濃度を測定できますが、低流量麻酔の場合には誤差が出たりするので、測定の際には細心の注意をしなければいけません。

まとめ

今回、麻酔器などと併用されるモニターの観察ポイントについて紹介しました。
モニターには基準値や異常値などを理解することが大切で、そのためにはメーターやグラフの見方を覚えることが重要になってきます。
モニターといった機械等の扱い方を今一度確認し、より良い対処ができるように日頃から準備しておきましょう。

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