ファイバースコープの仕組みから分かる人体観察

診断用機器

ファイバースコープが医療の現場に活用されるようになってから、50年以上になりますが、医療機器の進歩によって性能も飛躍的に進化しています。カメラ主体のファイバースコープとCCDビデオカメラ付の内視鏡に区別されるようになりました。こちらでは、ファイバースコープの仕組みから分かる人体観察について紹介していきましょう。

ファイバースコープの誕生

アメリカで開発されたのが、新素材を使った「グラスファイバー」です。グラスファイバーは、ガラス繊維の特徴を活かして、工業分野や医療分野での活躍が期待されました。光の伝達をグラスファイバーの繊維を通して端から端へと伝える事ができるようになったことで医療分野に進出します。

内視鏡として胃カメラを搭載したのが1964年になります。そこから、今まで課題の多かった胃カメラに代わって、医療の現場で活躍するようになったのです。それが、ファイバースコープ付き胃カメラの始まりです。

内視鏡の調べる部分とは、胃だけに限らず、食道や十二指腸、大腸や気管支に加えて胆道など各分野へ広がっていきました。今でも活躍しているものの、CCDビデオカメラを搭載した内視鏡のほうの活躍が目立つようになっています。

今までの胃カメラは、胃の中の状態をリアルタイムで観察できない事や、対象が胃だけに限定されていた事などの、利便性に問題があったため、ファイバースコープの誕生が望まれたのです。

医療用ファイバースコープの仕組み

医療用ファイバースコープは、ファイバースコープの光の特性を利用している以外にも、自由に曲げ伸ばしができる事で、少しの隙間を利用して、曲がりくねった人体のあらゆる場所まで、撮影できるようになりました。

医療用ファイバースコープの活用は、通信用のケーブルである「石英ファイバー」によって、レーザーの伝達技術をもって、医療の現場でもその技術を応用して人体用に活用できるようになったのです。

医療用のファイバースコープの仕組みとしては、細くて曲げやすい事が、人体のあらゆる場所に到達できるようになり、光ファイバーを束にする事で、レーザー光を体内に照射する事ができて、体内の負担を、できるだけ軽くするような治療が実施できるようになりました。

この事が、治療にあたる患者の不安を解消する事になり、体にメスを使って切りこむような手術を施すことのない施術方法が増えてきた事により、患者に対する選択肢が増える事にもつながっています。

ファイバースコープの本体には、管の中心をコアと言い、管の外側をクラッドと言います。
この2つは、屈折率が異なる事で、光が管の中で反射を繰り返して外へ漏れないようになっています。コアがクラッドに比べて屈折率が高い事で、端から端まで光が伝達する事ができ、その周りは、プラスティックプライマリコートという被膜でおおわれています。

ファイバースコープの端にはレンズを備えた事と、反対側の端にはアイピースの部分で、画像を除く事ができるようになっています。レンズの部分には、人体の分泌液などで、汚れた場合には、水が噴出する管を備えていて、レンズの汚れを洗い流します。

画像は、接眼レンズの特徴を活かして、拡大できるので、映像をクリアに見る事ができます。このような仕組みで、人体の内部画像を可視化できるようになっています。

まとめ

ファイバースコープの仕組みは、単純に思える構造ですが、その仕組みを可能にしたのが、グラスファイバーの特性であり、医療用に提供される事で、それまで使用された胃カメラの不具合を飛躍的に進歩する事ができました。CCDビデオの電子スコープと共に、人体観察や負担の少ない治療が可能になったのです。

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