ファイバースコープを用いた検査

診断用機器

喉や消化器の様子を知ることができて、患者への負担は最小限にするファイバースコープを用いた検査は、様々な病気や疾患の発見と治療に役立ちます。今回はファイバースコープを用いた検査の種類を具体的に解説します。

ファイバースコープを用いた検査

ここでは、鼻や口からのファイバースコープを用いた代表的な検査を3つ上げます。

喉の痛みの検査

喉の痛みは、不快なだけでなく、咽頭がん、喉頭がんの疑いもある疾患です。喉の奥は鏡を使っても自分で見る事ができません。我慢できないほどの痛みでなくとも、慢性的に不快を感じているのであれば、医療機関で検査を受けた方が良いでしょう。

喉の検査には鼻から入れることがあり、直径3mm程のファイバースコープを用います。嘔吐反射(吐き気)が起きないよう、口ではなく鼻の孔からファイバースコープを挿入して行います。

声帯の検査

声帯のある喉頭(こうとう)を検査するのにも鼻からのファイバースコープが用いられることがあります。喉の検査と同じく鼻の孔から挿入し、鼻腔をスプレーで局所麻酔するので苦痛は軽減されます。通常、患者は椅子に座ったままの状態で検査を行います。

上咽頭・中咽頭・下咽頭・声帯・喉頭蓋(こうとうがい)・披裂部(ひれつぶ)などの部分を、形態・色調・左右の対称性・運動障害の有無・腫瘍などの有無を診ます。発声・呼吸・唾液の嚥下などを患者にさせて、運動障害の有無や、嚥下の状態を詳細に観察します。

消化管の検査

消化管の検査をする場合も、やはり同じようにファイバースコープを用います。食道・胃・十二指腸などは、上部消化管と呼ばれ、鼻又は口から挿入したファイバースコープで患部を観察します。

口から挿入する場合は、嘔吐反射(吐き気)を避けるために喉に局所麻酔します。また、検査の苦痛を和らげるために鎮静剤を用います。ファイバースコープを鼻から挿入する場合は、嘔吐反射が少なく、比較的患者が楽に検査を受ける事が可能です。

検査中に医師と会話することも可能で、ファイバースコープ先端部のカメラの映像をモニタに映して患者に見せながら説明することもあります。欠点としては、鼻孔の狭い方の場合、鼻からの挿入が難しく、この場合は口からの挿入になります。

検査は、約5~10分で済むことが多いのですが、ポリープ切除などを行う場合は更に10分程度時間を要します。小腸・大腸などの下部消化管検査の場合は、肛門からファイバースコープを挿入します。

直腸から結腸へと、腸の動きとは逆に挿入します。その為、患者の苦痛を和らげるために鎮痛剤・鎮静剤を用います。検査中は患者の体位を変えながら検査を行います。検査に要する時間は約15分~30分です。

まとめ

今回はファイバースコープを用いた検査の代表的な例を3つ紹介しました。この様にファイバースコープは医療の現場で広く活躍しています。充分な知識を持って安心して検査ができる様にしましょう。

ピックアップ記事

関連記事一覧