磁気を使うMRI検査とX線を使うCT検査の違い

診断用機器

【はじめに】
皆さんも病院でMRI検査やCT検査を受けたことがあるのではないでしょうか。MRI検査とCT検査の違いは一言でいうと磁気を使うかX線を使うかの違いなのですが、それによってどのような違いがあるのでしょうか。今回はその違いについて説明したいと思います。

【MRI検査とCT検査の基本】

・MRI検査
磁気と電波を使い体内にある水素原子の動きから断層を撮影し、異常や病気を見つける検査です。検査には20分~1時間程の時間がかかります。

・CT検査
X線を照射して体内の画像をデータ化します。原理はレントゲンと同じですが画像を重ねることによって立体的に体内の異常や病気を見つけることができる検査です。検査は造影剤を使わない撮影で5~10分、造影剤を使う撮影で15~30分程の時間です。

【それぞれがする診断、メリット】

・MRI検査
脳や筋肉といった水分の多い部分、CT検査では見づらい骨に囲まれた部分を見つけることができます。CT検査より解像度が高く細かく病変を観察することに優れています。

・CT検査
骨や肺など水分の少ない部分を見たり、短い時間で全身を撮影できることに優れています。また出血をとらえることを得意とし脳出血の確認にも適しています。

【それぞれのデメリット】

・MRI検査
ペースメーカーを利用している患者さんなど体内に金属がある患者さんには不向きです。また1回の検査時間が長いため閉所恐怖症の患者さんなど狭いところに長時間いるのが苦手な方も検査が受けられないことがあります。

・CT検査
X線(放射線)が使われるため妊婦さんまたは妊娠の可能性がある患者さん、またペースメーカーを利用している患者さんは検査することができない可能性があります。

【それぞれの使い方】

MRI検査は時間がかかるため、急患など急いで診断や治療が必要な患者さんはまずCT検査を行います。
場合によってはMRI検査とCT検査は、どちらか一方だけ行えば終わりというわけではなく、両方検査をして診断をすることもあります。
またそのほかにも、頸動脈超音波、胃カメラ、乳腺超音波、腹部超音波、大腸内視鏡などほかの検査と合わせて行うこともあります。
MRI検査は長時間狭い空間にいるのが苦手な患者さんもいることから、最近ではオープンタイプ(ドーナツ状に囲まれない)の装置を用意している病院もあります。

【まとめ】

見た目は似たMRI検査とCT検査の装置ですが、違いがいろいろあるため、目的によって使い分けます。初めて体内を撮影することができたレントゲンから、人の体内を立体的に見ることができるMRIとCTは私達のさまざまな病気の発見や治療に役立っています。

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