ファイバー スコープによる検査や手術のメリットとは?

治療用機器

ファイバースコープによる内視鏡手術は患者様や医療従事者にとってさまざまメリットがあります。
内視鏡検査や手術というと大腸や胃などが思い浮かぶ方が多いと思いますが、消化器以外にも臓器や目的に合わせてさまざまな内視鏡の種類があります。
具体的には、脳内用内視鏡、耳鼻咽喉用内視鏡、胸腔内視鏡(ソラコスコープ)、気管支用内視鏡、腹腔鏡(ラパロスコープ)、膵管鏡、胆道鏡、小腸内視鏡、大腸内視鏡、直腸鏡、泌尿器用内視鏡などの種類があります。

○内視鏡検査・手術とは?
例えば、腹腔鏡においては皮膚に5mm〜1cmの穴を空けてファイバースコープと手術用の細い器具を挿入します。
腹部に CO2を送気して膨らませることにより術野を確保しておきます。
ファイバースコープの先端にはCCDと呼ばれるカメラが備わっており、リアルタイムでモニターから観察ができると共に画像撮影も可能です。
執刀医はモニターからの情報を基に病変の観察と手術を行います。
目視ではなくモニター越しに手術を行うため、手技には経験や高度なスキルが必要とされています。
最近の内視鏡は画像の解像度も格段に進化しており、モニターからの映像でもより鮮明に確認することができるようになりました。
ファイバースコープ自体の外径もより細いタイプが開発されており、患者様への負担が軽減されるとともに挿入がより容易となりました。

○内視鏡検査・手術におけるメリットとは?
内視鏡における検査や手術のメリットは患者様への負担が少ないことにあります。
従来の開胸手術に比べて小さな傷で済むため術後の痛みが軽減されます。
また傷跡も小さく、美容面においてもメリットがあります。
開胸手術では胃や腸などの臓器が空気に触れることにより機能低下や回復までに時間を要するといったデメリットがあります。
内視鏡手術では消化器などの臓器が空気に触れることがないため術後の回復が早く、早期から食事を開始することが可能です。
この他にも術後の癒着が少ないため腸閉塞のリスクが軽減されたり、炎症が起こりにくいというメリットがあります。
内視鏡による検査や手術は身体に優しい方法と言えるでしょう。

○内視鏡検査・手術におけるデメリットとは?
もちろん、内視鏡検査・手術は万能ではなくデメリットもあります。
まず、モニター越しの処置になるため、執刀医の熟練した技術や経験が必要です。
腹腔鏡ではCO2を送気しておなかを膨らませるため、合併症が起こる場合もあります。
基本的なことになりますが、患者様にはメリット・デメリットを確実に説明して同意を得るようにしましょう。

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