麻酔器(麻酔システム)の点検とは?

生体現象測定記録・監視用機器

はじめに

通常私たちが麻酔器と呼んでいるのは「麻酔器本体」「気化器」「呼吸回路」「人工呼吸器」「余剰麻酔ガス排除装置」など5つの医療機器によって構成された「麻酔供給システム」といわれる装置です。
麻酔器を使うことで、患者さんへの負担を減らしスムーズな手術を行うことができますが、麻酔器がうまく作動しないと人命にかかわる場合もあります。そのため麻酔器のメンテナンスは非常に重要になります。
そこでこの記事では日常的に行われる麻酔器の点検についてご紹介したいと思います。

麻酔器を含めた医療機器の保守点検の重要性

医療の現場においては、あらゆる高度な医療機器が導入されています。麻酔器もその中のひとつです。
これらの医療機器を総合的に保守・点検・管理して行くことは非常に重要です。また点検は計画的に行い記録していくことも大切です。また適切な機器の維持管路を行うために、医療スタッフだけでなく、専門業者による定期的なメンテナンスも重要です。

麻酔器の保守点検について

冒頭でご紹介したとおり、麻酔器はさまざまな機器で構成されています。
他の医療器と同様に、麻酔器においても日々の保守点検の重要性などが平成19年4月に改正された医療法で義務づけられています。
手術などに使われる麻酔器も重要な医療機器であり、トラブルなく安全に使用するために、日頃の点検・整備が欠かせません。麻酔器の点検には「日常点検」と「定期点検」が重要です。

日常点検とは?

それでは、麻酔器の日常点検から見ていきたいと思います。
日常点検には「始業前点検」「使用中点検」「終業時点検」があります。
「始業前点検」は、他の記事でもご紹介しているとおり、麻酔器の使用前に安全に作動するかなどを確認し、使用に備える作業です。
「使用中点検」は、麻酔器を使用中に機器が正常に作動しているかを確認し、さらに安全面に備える点検です。
「終業時点検」は、麻酔器使用後の作動状況や安全性、劣化などの不具合がないか、また使用された患者さんの状態も確認し、次回も安全に使用できる状態であることを確認する点検です。
また医療機器の集中管理室で管理された麻酔器については、専門の知識を持った臨床技師によってさらに詳しく点検していきます。

定期点検とは?

麻酔器の定期点検は、日常点検とは異なる詳細な点検と消耗部品の交換が行われ、機器を適切に維持管理するための重要なプロセスとなります。
麻酔器を含む大まかな定期点検項目としては「電気的安全性点検」「外観点検」「機能点検」「性能点検」の4つからなります。さらに定期点検を確実に行うための立案、計画書の作成や定期点検報告書作成も重要となります。

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