移植外科とは?診察内容や診療領域などについて解説

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医師が診察する身体の部位や疾病は、診療科ごとに大きく異なります。

診療科は複数あるものの、それぞれどのようなときに受診すればよいのか迷うこともあるでしょう。

そこで、移植外科とはどのような診療科なのか、診察内容や診療領域などについて解説していきます。

 

移植医療とは

移植医療とは、臓器提供者であるドナーから、患者(レシピエント)に対して臓器を移し植える治療のことです。

摘出した組織は移植片(グラフト)と呼びますが、この移植片の種類によりいろいろな移植の種類に分けることができます。

重い病気や事故などで臓器の機能が低下してしまった方に対し、他者の健康な臓器と取り替えることで、機能を回復させる医療が臓器移植です。

第三者の善意で臓器が提供されなければ成り立たない医療であり、実際、日本で臓器移植を希望・待機している方は1万6千人ほどいるといわれています。

 

移植外科とは

移植外科とは、移植手術や移植後のケアなどを行う診療科です。

根治できない臓器不全を完治させる究極の医療が臓器移植ですが、内科的治療では対応できずない肝不全などでも、肝移植が唯一の救命手段となります。

また、若年に発症する1型糖尿病は、膵移植することでインスリンを自己注射する必要はなくなり、低血糖発作からも解放されます。

腎臓が機能しなくなった方に対する腎移植では、透析療法から離脱することができるため、生活の質を向上させるだけでなく、予後改善にもつながります。

人間の臓器は色々な種類があり、どの臓器を移植するかによって期待できる効果などは異なるといえます。

ただ、特殊と考えられた臓器移植も、現在では一般医療となっています。

 

移植外科の主な診療領域

移植外科の主な診療領域は、病院によって異なるものの、慢性腎不全を根本的に治療する腎移植などがメインといえます。

透析のためのシャント手術やシャントトラブルに対する治療、移植患者のフォローなど様々です。

他にも肝硬変(B型・C型・アルコール性・自己免疫性肝炎)・肝臓がん・先天性代謝疾患・移植後の種々の合併症なども、移植外科の診療領域です。

小腸移植に関しては、短腸症候群や機能性腸閉塞症などが対象といえるでしょう。

また、移植外科では、ドナーおよびレシピエント術前検査を、外来と入院で実施することが多いといえます。

検査方法は、腹部CT・MRI・超音波検査などによるものです。

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