心電図から読み取る不整脈の見方のコツ

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不整脈と聞くと思いつくのが心臓の病気などです。その状態としては、通常の脈拍よりも早くなる場合や遅くなる場合などにより知る事ができます。しかし、病気だけでなくストレスなどでも起こる症状です。今回は、心電図から読み取る不整脈の見方について紹介しましょう。

不整脈の症状と原因

心臓はポンプのような役割をして体中に血液を送りだしており、肺から取り込んだ酸素をエネルギーへと変えています。心臓に流れる微弱な電気信号によって一定の動きが保たれていますが、この電気信号の流れに異常をきたす事で、不整脈が起こるようになっています。

心臓の病気だけにとどまらず、高血圧や糖尿病など全身の病気や疲労やストレス、睡眠不足や飲酒、喫煙なども関係している場合もあるのです。危険性の少ない健常な人であっても「期外収縮」のように、脈が途中から飛ぶような事もあります。

〇「徐脈」の場合は、脈拍が1分間に50以下になり、40以下になる場合には、めまいや息切れが出るようになります。

〇「頻脈」の場合は、100以上を示し、120以上になると病気の疑いが濃くなり、胸痛やめまい、失神などの症状が出る場合があります。

〇「期外収縮」の場合は、自覚症状がないので発見しにくいですが危険性は少ないです。

〇頻脈性不整脈では、「心室細動」「持続性心室頻拍」などの、重篤な失神やふらつきがあります。

〇徐脈性不整脈では、「完全房室ブロック」「洞不全症候群」などがあり、呼吸困難などの心不全症状や血栓による脳梗塞の危険があります。

心電図から不整脈を読み取る

不整脈の心電図を見る場合には、正常の心臓のリズムを知る事で判断するようになります。正常な場合のリズムを洞調律と呼びます。電気信号は、右心房にある上部の壁である洞結節から発しています。P波は心房の興奮を示しており、T波は興奮が覚めた状態で、QRS波は心室の興奮の事です。

洞結節から出る電気信号によって、心房を興奮させてP波が形成されます。心室を興奮させるとQRS波となり、興奮がおさまるとT波が形成される一連の動きが洞調律と言われています。心臓の電気の発生や伝導に乱れが生じる事で、不整脈が起こります。

このような電気信号を促進する働きを「頻脈性不整脈」と呼び、抑える場合には「徐脈性不整脈」となります。場合によっては、両方が交じり合うケースも見られます。

1.「頻脈性不整脈」
動悸や息切れが起こるようになります。心電図には、脈の数が多くなり、異常な部分が予測よりも早く現れるようになります。

2.「徐脈性不整脈」
めまい感やふらつき、失神などの症状が出ます。心電図には、脈の数が少なくなり、異常な部分が予測よりも遅れて現れるようになります。

心電図を読み取るコツ

不整脈を心電図で読み取るには、心房の興奮であるP波と心室の興奮から消失までのQRS波とT波のリズムを良く観察して、心房の興奮が心室に対して正しく伝わっているのかを見極める事が重要なポイントです。

〇心房の興奮に対して規則的に出現しているのか確認する。
〇頻脈か徐脈は、脈が速いか遅いかの状態で確認する。
〇不規則な場合のリズムは、通常の洞調律に対して早く出ている場合の上室期外収縮。
〇通常の洞調律に対して遅く出ている場合の上室補充収縮。
〇P波が心室に伝導される場合に、QRS-T波を伴っている場合に房室伝導ありを確認する。
〇心室への伝導の時間であるPQ間隔は、早い場合は短くなり、遅い場合は長くなる。
〇P波の変化で、洞結節以外の部分から興奮が出ているかの確認。
〇心室の興奮と消退は、P波に伴って出現があるのか。
〇P波に関係ない場合の、早く出ている「心室期外収縮」なのか。
〇あるいは、遅く出ている「心室補充収縮」なのか。
〇単発的な変化の「期外収縮」なのか。又は連続する「発作性頻拍」なのか。
〇QRS波の形が、心室の興奮の広がり方で変化しているのかを見る。

まとめ

心電図から読み取る不整脈の見方には、基本の波形を参考にして、それぞれの波形出現の速さや間隔を調べる事で、それぞれの特徴を確認して判断につなげる事です。正常な心臓のリズムの仕組みを理解して心電図を読み取る事が大事です。

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