CT装置の機能と構成

診断用機器

【はじめに】
CT装置を使用すると、レントゲンやエコー検査では見えにくい、奥まったところにある臓器を撮影することができます。そのため、ガンなどの重要な病気の検査でもよく用いられています。
今回は、CT装置の機能と機械の構成についてまとめます。

【CT装置の機能と構成】

・CT装置の機能
CT装置の機能や仕組みについては、以前の記事でもお伝えしましたが、大まかにおさらいしておきたいと思います。
CT装置は、X線を使って人の体内を撮影する検査機器です。人の体を輪切り状の画像として表示できるため、脳、肝臓、すい臓など、体の奥の方にある臓器の検査に役立てられています。
臓器の大きさや厚みによってX線の動きは異なるため、それをコンピュータで解析・処理し、体内の様子を映し出しています。
また、体内の様子をより鮮明に映すため、必要に応じて造影剤という薬剤を使用することもあります。

・CT装置の構成
CT装置の構成についてご紹介します。

1.ガントリ(架台)
ドーナツ型の機械で、X線を発する「管球」と、X線を受ける検出器が内蔵されています。
管球は700kgもの重さがありますが、ガントリの中で1周あたり0.5秒以内で回転します。重量のあるものが高速で回転するので、振動で画像に影響が出てしまいそうですが、開発技術が発達した現在では静止状態を保てるように設計されています。

2.クレードル
患者が横たわる寝台です。

3.コンソール
CT装置を操作するコンピュータです。
コンソールは、ガントリとクレードルがある部屋の隣室に設置されており、医師や放射線技師はガラス越しにCT装置を操作します。また、コンソールが設置された部屋には、X線防護が施されています。
しかし最近では、ガントリにWiF-Fiを内蔵し、タブレット端末で操作するタイプのCT装置も開発されています。もしも今後、タブレットで操作するタイプのCTが実用化された場合、医師や放射線技師は患者のすぐそばでCT操作をし、効率的に検査を行えるという利点があります。

【最後に】

今回は、CT装置の機能と機械の構成についてまとめました。
患者にほとんど苦痛を感じさせずに体内の精密検査を行えるCT装置は、昔から考えるととても画期的な医療機器です。それだけではなく、今も新機能の改良がされ、画質の向上や、医師・技師の仕事の負担を減らせるような設計開発も進んでいます。
そのうち、大掛かりな設備もいらなくなり、より多くの病院に設置される日が来るかもしれませんね。

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