手術台における感染対策について

治療用機器

手術の前後には感染対策として、手術台周辺の十分な点検および清掃を行う必要があります。今回は患者さんが安全に手術を受けられる様に、感染対策として気を付けるべき手術台周辺の清掃について説明していきます。

手術中の感染症の原因について

手術内容によっては、手術台周辺に患者さんの大量の血液が飛び散ることが想定されます。また、手術で嘔吐した場合の排泄物も、感染症を引き起こす原因として扱われています。それから、術後の患者さんの免疫の抵抗力は弱まっています。そして、手術部位に関しては、傷口から感染しやすくなっているので、徹底的に清掃および消毒を行わなければいけません。

ラビング法とは

「ラビング法」とは、2002年にCDC手指衛生が推奨した手術時にも適切な手洗方法です。この方法で手洗を行うことにより、万が一手術中に装着していた手袋が破れてしまった場合でも、感染症を引き起こす原因となる皮膚常在菌から受けるリスクを軽減させることが出来ます。やり方は石鹸と流水を使った通常の手洗の後に、手指のアルコール消毒をします。手洗いは感染対策の基本です。

吸収シーツについて

吸収シーツはほとんどのものが高分子吸収素材でできていて、体液・消毒剤・排泄物などを吸収しやすいだけでなく、べとつかないので患者さんにも不快感を与えることはありません。そして、術後の清掃の負担も減らせます。血液などによって室内が汚染される手術の場合に、おすすめなシーツです。使い捨てなので、感染対策になります。

術後にすべきことについて

まず、装着している手袋やマスクなどの防護具は直ちに破棄して下さい。そして、手術着は洗濯用運搬台車に入れ、手術台に敷いてあるマットは、新しいものに取り換えます。その後、床や室内の清掃および消毒を行います。換気も忘れずに行いましょう。また、使用した医療機器は、専用の処理室へ運び、洗浄・消毒をして下さい。

手術室内の清掃について

手術室専用の綺麗なモップを使って、丁寧に床や手術台周辺の清掃をしていきます。事前に感染症対策のマニュアルを確認し、清掃と消毒を実施して下さい。曖昧なまま行うと、効果が得られなくなってしまうので、必ずマニュアルに従って実施しましょう。清掃終了後には、清掃用具は清潔に保管して下さい。

手術台の清掃の手順について

手術台は患者さんと直接接触している部分なので、電源を切ったらすぐに手術台からマット・枕・電気毛布・シーツなどを取り外して下さい。マットは消毒液を浸した清潔な布で、全体的に拭いていきます。次に、手術台のテーブル板・サイドレールの表面・ねじなどの細かい部分までを消毒します。使用する消毒剤は、次亜塩素酸ナトリウム・ハイポアルコール・クロルヘキジン・塩化ベンザルコニウム・エタノールなどです。

まとめ

手術台は清掃と消毒はもちろん、定期的な点検も必要です。様々な病気を発症した患者さんが使用するので、マニュアルをしっかりと読んで、感染対策を行っていきましょう。手術前後の手洗いも忘れずに心がけて下さい。

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