ファイバースコープの保守点検について

診断用機器

ファイバースコープは、患者さんの検査をするために必要な医療機器ですが、検査を終えたらただちに消毒と洗浄を行わねばなりません。また点検も欠かせないことです。今回は、ファイバースコープの保守点検の話をしましょう。

保守点検について

医療現場において欠かせないファイバースコープですが、長く使い続けていると不具合が生じる場合があります。最悪のケースでは、経年に伴う劣化のほか故障につながります。こうしたエラーは日々の点検によって発見されるのがほとんどです。

いつも行う点検

検査開始前に実施する日常点検及び使用前点検では、外観上のいずれかに問題があるかを目視し、警報が正確に動作できるかといったものです。これらは安全かつ適切に使用するために欠かせない日々の点検であり、ファイバースコープを使った検査を円滑に進めるために必要な項目になります。なお、状況次第では修理をするべきか切り分ける必要があります。

定期点検については、性能維持を目的に、電源を入れたら正常に動くか否かの確認や装着部分や外装の金属部分における絶縁抵抗や出力安全機構が動くかチェックし、電流値などが正常に働くかを実施します。こちらに関しては前述の修理可能業者やメーカー、そしてファイバースコープなどの内視鏡系の教育を受けている方が行います。

毎日行う点検

日常的保守点検の一環として始業前と検査間、そして終業時の3種類の点検を実施します。

業務を開始する前に行う点検は、モニターなどが電源を入れたら画像表示できるかチェックし、光量確認まで行います。操作部のフリーズボタン押下で画像が止まるか、シャッター押下できるか確認をします。

光源装置はライト使用時間が500時間を超えるかどうかを確認し、照診するための光が点いているかを見ます。その後送気ボタン押下で送気圧動作ができているか、またはファイバースコープ接続部分における汚れがたまったら埃と一緒に除去します。外観や安定性による電源コードのねじれや変形有無やキャスターのゆがみの目視点検や、CO2送気の確認や内視鏡の送気・送水ボタン押下で、正常に動作できているかまで確認しておきましょう。

業務中や終わった後

(1)検査間点検→次の患者さんの検査に向けて行う保守点検の一つで、機器類の状態の確認と清掃がメインとなります。血液や吐物などがファイバースコープなどに付着した状態では、前の患者さんの検査を終えている場合がありますので、二次感染を防ぐための点検です。実際に行うのは界面活性剤入りワイパーで実施します。低水準消毒をもって点検を終わらせてください。

(2)終業時点検→一日の終わりに行う保守点検で、本体をきれいに拭き取り、外観に問題がないか、電源がきちんと入るかの目視点検を行います。

まとめ

ファイバースコープの保守点検は、一日に3回検査を行います。始業時においてはチェック項目がたくさんありますが、正常に動くために欠かせない項目となっています。

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